Tuesday, November 19, 2013

ソーシャルイモーショナルラーニング


学校心理士という職業柄、問題を抱えていない子供たちにはあまり関わらない。
私たちのところに来る子供達は、何かしらのサポートが必要だからくる。
そういう子供たちばかりを見ているせいか、
私が今の日本を知らないからなのかわからないけど、
日本は本当に恵まれている国のように思える。

私が会う子供達大抵それぞれのストーリーがある。

学校にいる間に両親がいなくなりはしないかと不安になり、泣き出す子。

ホームレス生活をしている子。

両親が薬物依存で、親権を失い、里子に出された子。

親の離婚や人間関係で、 引っ越しを繰り返し、勉強がひどく遅れている子。

中学生なのに足し算は指をつかい、かけ算ができない子。。。

給食をむさぼるように食べ、人の残したものを隠してもって帰ろうとする子

私はカウンセラーではないから、ひたすらこう言う子供たちを教育という観点から見てどう助けられるか、という形でしか関われない。
こう言う問題を抱えている子供たちにテストをさせたり、行動観察したり、教師、両親から情報を集めたり、子供と話したりして、学業面でどんなサポートが必要かを見極める作業をひたすら繰り返す。。。

教育が必要なのはその通りだと思う。
でも、教育を何とするか、そこが大切だと思う。
なんで今の社会は(日本やアメリカは)机に向かう勉強が教育の大部分を占めるようになったんだろう。

この子達に必要なのは、もちろん読み書きや基礎的なことは社会生活をする上で絶対に必要なんだけど、それと同じくらいに彼らの社会性や情緒面での成長、逆境の中で成功する強さを培ってあげること な気がする。。。。

アメリカには恵まれてソーシャルイモーショナルラーニングという言葉があり、子供の社会性、情緒面を養うためのトレーニングが多く開発されている。
ソーシャルイモーショナルラーニングとは1)自分の感情を理解する2)自分の感情をコントロールする3)他人の感情を読み取る4)他人との良い関係を築く5)問題解決能力 という5つの分野に焦点を当てたプログラム。

もっともっと、これらのトレーニングが一般教育の中に取り入れられていったら良いのに。。。。

日本でもいじめや引きこもりの問題防止の第一歩として、こういうトレーニングを学校で始めたら良いと思う。

人間に共通する感情、そしてそれには大切な意味がある。
それをまずちゃんと読み取りコントロールすること。
自分の感情をしっかり理解すること。
そこから人間が更に人間らしく成長する鍵があるように思う。。。

Sunday, October 27, 2013

学校心理士という仕事

今日は学校心理士(School Psychologist)について紹介したいと思います。
そして、アメリカの教育制度についてちょこっと。

日本には無い資格ですが、アメリカには学校心理士という資格があります。
一言で説明するのは無理があるのですが、簡単に、本当に簡単に言うと普通学級から特別学級に移行する子供たちを支援したり、学校全体のカリキュラムやシステム変更をしたり、先生達のトレーニングやコンサルティングをしたりする仕事です。

学校カウンセラーと間違われやすい仕事ですが、違います。

アメリカでは最低でも修士号(大学卒業後3年間の大学院)もしくは博士号が必要とされている、いわゆる専門職です。

私が今勉強しているのが、この学校心理学と言われるものです。
心理学と特別教育を合わせたようなところに位置するものです。

アメリカの教育システムでは、特別支援が必要かもと思う子供がいた場合、私たち学校心理士が色々なテストやアセスメントをして、特別支援の基準を満たしているかを判断するのが学校心理士の仕事の1つです。

子供の将来に関わる大きな決断を担うこの仕事、沢山の側面があります。

特別支援が決まると、両親、教師、学校心理士、特別支援学級教師などが集まりその子のための特別カリキュラムが個別で作られます。
そしてそのカリキュラムを行うことが学校側に義務づけられます。

沢山の人の思い、考えが集まるミーティング、色々な感情の高まり等があります。
子供を特別支援級に入れて、支援を受けさせたいと考える両親。。。。
子供を特別支援級に入れたくない両親。。。。

実習が始まり、こういう人の”感情”に出会うことが多くなりました。
普通の関係では見ることのできない人の深い感情に出会うとき、私の感情も揺れます。

かなり、固い感じのポストとなってしまいましたが。。。。。。
次回はもっとおもしろいことにしますね。笑。

学校心理士という仕事、今後の日本にもとても必要な大切な仕事になると思います。
子供のために、必要なサポートが与えられる、そういう教育システムへと段々と近づいていってほしいなと、毎日願います。

まずその一歩として、このポストを通して、こういう仕事が他の国には(世界の先進国のほとんどにはあるんですが。。。)あるということを皆さんに知っていただけたら嬉しいです。

(*^ー^*)

Saturday, October 26, 2013

初めまして

記念すべき第一回目の投稿です。

オレゴン大学教育学部に留学してもう一年が過ぎました。。。
2回目の秋をオレゴンで迎えています。

こっちに来て多くのことを考え、感じ、学んでいます。
とっても恵まれた環境の中で、学んだことを少しですが分かち合えたらと思ってブログをスタートしました。

主に留学で学んだこと、教育学、文化の違い等について触れていきたいと思います。
特に特殊教育を得意としている大学にいるので、それについて学んだこと、
知った研究結果などをお伝えできたらいいなと思います。

毎日学びながら、これをもっと早くに学んでいたら!と思うことが沢山あるので、
そういうことをお伝えしていきたいと思います。

そして、同時にオレゴンの美しい自然の写真を紹介できたらと思っています。

記念すべき最初の写真はオレゴンの紅葉と、そこら中に沢山落ちているドングリを拾って木に駆け上り一生懸命食べるリスさんです。笑。